ホーム お役立ちコラム 印刷の「黒」に要注意!リッチブラック、スミベタ、4色ベタを使い分けよう
公開日:2017.10.04
印刷の「黒」に要注意!
リッチブラック、スミベタ、4色ベタを使い分けよう
カラー印刷でできあがったチラシやポスターを確認した際に、「黒のベタ塗りのはずが、他の色やデザインが透けてしまっている」「何だか黒の色調がおかしい気がする」といった違和感を持ったことはないでしょうか。
実は、印刷で使用される黒は1色ではなく、実は3色あります。モノクロの印刷ではもちろん、カラー印刷でも黒は色調の表現には欠かせません。しかし印刷の世界では、同じ黒でもインクの選び方や使い方によって、発色や印象の異なる黒が生まれます。
今回は、印刷における3種類の黒の使い方や、それぞれを用いる際の注意点についてご紹介します。
K100%で表現され、文字や繊細な線に向く「スミベタ」
印刷の色調表現は「CMYK」というカラーデータを用いて行われますが、そのうち「K=黒」のインク1色だけで表現される黒を「スミベタ」と呼びます。文字や細かい線を印刷するときに適していますが、広範囲の塗りつぶしにはあまり適していません。
印刷会社によっては、広い面をスミベタで塗りつぶしたデータには「オーバープリント」という処理が自動的に行われ、黒い面の下にある色や絵などが透けて表現されてしまう場合があります。注意しましょう。
また、スミベタで広い範囲を塗りつぶすように印刷すると、ピンホール状の色抜けができることもあります。
これらのトラブルを防ぐには、スミベタで表現したいときも「K=100%」の色味をあえて指定せず、1%でもC・M・Yいずれかの色を入れるようにしましょう。なおこの場合には、C(シアン)が用いられることが一般的です。
CMYKをバランスよく配合した黒が「リッチブラック」
CMYKすべてのインクを絶妙に配合することで、深い黒を表現できるのが「リッチブラック」です。印刷でリッチブラックを用いる場合、CMYKの比率は一般的に「C:40% M:40% Y:40% K:100%」が推奨されます。
リッチブラックには深い黒を表現できるというメリットがあるものの、すべてのインクを掛け合わせるため、印刷時に境界線のブレが出てしまうというデメリットもあります。この境界の印刷ブレは「見当ズレ」と呼ばれ、細い線や文字などをリッチブラックで印刷した場合によく見られます。
「4色ベタ」は、最も濃い黒が表現できる
「4色ベタ」は、CMYKの4色をすべて100%用いて作られる黒です。比率で表しても「C:100% M:100% Y:100% K:100%」となり、「リッチブラック」よりもさらに深く濃い黒に仕上がります。
ただし、インクを大量に使用するため、印刷した用紙同士がくっついたり、乾きが遅くなったりするデメリットがあります。また、黒が濃すぎて用紙の裏面に映って見えてしまうことも少なくないため、基本的に、印刷会社ではあまり推奨されていません。
もしも4色ベタで指定されたデータが原稿として印刷会社に持ち込まれた場合、トラブルを防ぐため、印刷時に自動で濃度調整が行われる場合があります。その際には他の色も濃度が変わってしまう場合がありますから、注意が必要です。
基本的に、CMYKのインク量が合計360%を超えると「印刷には適さない」と判断されてしまいます。黒をできるだけ濃く見せたい場合であってもできるだけ4色ベタは指定せず、インク量の合計を考えながら黒の表現を考えましょう。
おわりに
今回は、印刷で使う3種類の黒、「スミベタ」「リッチブラック」「4色ベタ」についてご紹介しました。
印刷物において最も重要な色と言える黒をこれまで以上にうまく印刷で用いることができるよう、今回ご紹介した3種類の黒のメリットとデメリット、適した使いどころを抑えて原稿データを作成しましょう。
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