ホーム お役立ちコラム オンデマンド印刷とは?オフセット印刷との違い、それぞれのメリット・デメリットについて
更新日:2023.08.03
オンデマンド印刷とは?オフセット印刷との違い、それぞれのメリット・デメリットについて
ポスターやDMなどを印刷会社へ依頼する場合、大きく2つの印刷方法があることはご存知でしょうか。
それは、「オンデマンド印刷」「オフセット印刷」です。
それぞれに違いやメリット・デメリットが存在し、最適な印刷方法を選択することでコストや納期、色表現のバリエーションなどに大きく影響します。
今回はオンデマンド印刷とオフセット印刷について詳しく解説していきます!
オンデマンド印刷とは?オフセット印刷とは?
印刷の種類には大きく2つに分けることができます。
1つは「オンデマンド印刷」、もう1つは「オフセット印刷」です。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いとは、印刷に『版』を使用しているかどうかにあります。
オンデマンド印刷とは、版を使わず印刷をする印刷手法でデータ入稿後すぐに印刷処理が可能となります。データを作成し入稿したらそのまま印刷工程へ入ります。
オフセット印刷とは、データを作成し入稿後、印刷工程に入るために製版・刷版の作業があります。
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オンデマンド印刷とは
オンデマンド印刷とは、電子写真方式やインクジェット方式などを利用した高速デジタル印刷機による印刷方法のことです。
「オンデマンド」とは「必要なものを、必要なだけ、必要なときに」という意味を持ちます。
オンデマンド印刷ではレーザープリントがメインで使われています。
レーザーによる静電気でドラムユニットに絵を描き、そこにトナーを定着させ、紙へ印字する仕組みです。
<オンデマンド印刷(レーザープリント)の仕組み>
オンデマンド印刷の特徴としては下記のようなものが上げられます。
- 短納期、スピード対応が可能
- 少部数、少量印刷向き
- 目的に合わせて柔軟な対応ができる
- オフセット印刷に見劣りしない仕上がり
とはいうものの、「大量部数ではかえってコストが上がる」「色の再現に限界がある」といったデメリットがあります。
オフセット印刷とは
オフセット印刷とは、版を使用した印刷方法です。
「オフセット」とは「付けて離す」という意味であり、印刷方法をそのまま表しています。
版のインクを直接紙に転写するのではなく、一度版に塗られたインクをブランケットに転写(オフ)してから紙に印刷(セット)します。
<オフセット印刷の仕組み>
オフセット印刷は書籍の印刷から商業印刷まで幅広く利用されているポピュラーな印刷方法の1つです。
オフセット印刷の特徴としては下記のようなものが上げられます。
- 高精細
- 大部数、大量印刷向き
- 特色を使用することでオンデマンドでは出来ない色の表現が可能
- 一般的な印刷方式というとオフセット印刷を指すことが多くメジャーな印刷
とはいうものの、「少量部数には向かない」「納品までに時間がかかる」といったデメリットがあります。
オンデマンド印刷のメリット・デメリット
オンデマンドのメリットには下記が挙げられます。
- 少部数の印刷に向いている
- 短納期(納期に時間がかからない)
- 内容が一部異なるものを連続した印刷に最適
では、詳しく見ていきましょう。
メリット①少部数の印刷に向いている
オンデマンド印刷は製版する必要がないため、少部数の印刷でもコストを抑えて印刷することが可能です。
1部からでも発注することができるため在庫を抱える必要がなく、必要なときに必要な数だけ印刷できることがオンデマンド印刷の最大のメリットです。
メリット②短納期(納期に時間がかからない)
オンデマンド印刷は製版の時間もインクを乾燥させる時間も必要ありません。そのため、短納期で対応することが可能です。
発注から納期まで1日で終わることもあるため、急な印刷を要する際には、オンデマンド印刷の利用がおすすめです。
メリット③内容が一部異なるものを連続した印刷に最適
「イラストの一部分だけ変えて複数パターンで印刷をしたい」「番号を1文字だけ変えて連続で印刷したい」といった内容にオンデマンドは適しています。
例えば、パーソナライズ化したDMや抽選券のシリアルナンバー印刷は、オフセット印刷で依頼するとかえってコストがかさみ時間がかかる場合があります。
一枚一枚異なるものを連続して刷るバリアブル(可変)印刷に向いています。
次に、デメリットについて解説していきます。
デメリット①枚数が増えるとコストがかさむ
オンデマンド印刷は、印刷枚数が増えるほどコストが高くなってしまいます。
印刷所によって納期と枚数によってオフセットのほうが安くなる場合もあるため、見極めが必要です。
デメリット②黒のテカリが目立つ場合がある
グレースケールやモノクロ印刷の場合、オフセットと比べて特に顕著なのが、黒インクのテカリです。
特にベタが多いと目立つ傾向にあり、長年オンデマンド印刷の欠点とされてきました。
>(あわせて読みたい)モノクロ印刷の注意点やグレースケールへの変換方法をご紹介
しかしモアレの軽減と同様に、近年ではマットなオンデマンド印刷が可能な印刷所も増えてきました。
オンデマンドに力を入れている印刷所を選んだり、用紙をややラフな紙質のものにしたりすることで、ほぼオフセット印刷と変わらないような見た目にすることも可能です。
ただ、オンデマンド印刷はどうしてもインクが剥がれやすいため長期保存には向きません。
オンデマンド印刷に向いている印刷物
ここではオンデマンド印刷の特徴を踏まえて、適した印刷物を紹介します(部数や枚数、データ種類等によってオフセット印刷を選択する場合もあります)。
①ポストカード(はがき)
ポストカード(はがき)は、オンデマンド印刷であれば1枚から印刷でき、利用シーンに応じて様々な用紙を選択できます。例えば、
キャンペーン案内など販促活動
…光沢感があり滑らかな質感のアート紙
挨拶状(年賀状、オフィス移転、支店開設など)
…すっきりとした白色とソフトな質感のある塗工紙
結婚報告、社長交代
…パールやラメが入った光沢のある用紙
といったように、内容や送る相手に応じて用紙種類を選ぶことができますし、1枚単位で印刷が可能です。
また、一般的にフルカラー印刷の解像度は350dpiが目安ですが、ポストカード印刷は200dpi程度でいいこともあるため、オンデマンドでも見劣りしない仕上がりとなります。
②ポスター印刷
イベント告知や集客用など、たくさんの人の目にふれるポスター。
魅力的な表現を演出するために欠かせない印刷物です。
光沢紙を使用すれば、とても鮮やかで美しい仕上がりになるのでおすすめです。
オフセット印刷のメリット・デメリット
ではオンデマンド印刷のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
オフセット印刷のメリットには下記が挙げられます。
- 大部数の印刷ならコストダウンできる
- 高品質な仕上がり
では、詳しく見ていきましょう。
メリット①大部数の印刷ならコストダウンできる
オフセット印刷は版を用いて印刷するため、大量に印刷する場合はコストを抑えることが可能です。
また、一度版を作ってしまえば破損しない限り繰り返し使用することができるため、同じ品質の製品を繰り返し作ることができます。
そのため、数千枚という大量の印刷が必要な場合は、オフセット印刷がおすすめです。
メリット②高品質な仕上がり
オフセット印刷は、インクが紙にしっかりと密着するため印刷の仕上がりが高品質というメリットもあります。
イラストや写真、文字など、細部まで鮮明に表現することが可能です。
小さな文字でもにじむことがないため、見やすい印刷物を作ることができます。
また、DICカラー、いわゆる特色を使用できるのも特徴なのでデザインにこだわりたいのであればオフセット印刷がよいでしょう。
次に、デメリットについて説明しています。
デメリット①少部数の印刷だと割高
オフセット印刷のデメリットは、少部数で印刷を依頼すると逆にコストが割高になることです。
あまり少ない部数での印刷依頼はそもそも受付不可という場合もあるため、どのくらいの部数・枚数が必要かによって使い分ける必要があります。
デメリット②納期に時間がかかる
版を作る時間とインクを乾燥させる時間が必要であるため、仕上がり(納期)に時間がかかります。
納期によっても料金が変わってくるため、枚数と納期で見積もりをしてみましょう。
オフセット印刷に向いている印刷物
ここではオフセット印刷の特徴を踏まえて、適した印刷物を紹介します(部数や枚数、データ種類等によってオンデマンド印刷を選択する場合もあります)。
①パンフレット
カラーイラストが使われた冊子や画像が多く使われているパンフレットの使用に向いています。
高品質な印刷ができるので細部にわたってこだわりが表現できるのと、小さい文字・細かいイラスト・写真もにじまず鮮明に印刷ができます。
商業用に大部数のパンフレットや冊子を印刷したい場合にはオフセット印刷がおすすめです。
②フライヤー、チラシ
大量部数を印刷するフライヤー類はオフセット印刷に向いています。
大量に印刷することで1枚あたりの単価を抑えることができますし、細かい文字やグラデーションの印刷も得意です。
また、写真を多く使ったフライヤーを作りたい場合にも安心です。
まとめ
今回は印刷方法の2大主流となっている「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」について解説しました。
両者のメリットとデメリットはそれぞれ異なるため、印刷を依頼する際は印刷部数や納期などを考慮して依頼しましょう。
少部数を短納期で依頼したい場合はオンデマンド印刷、大量に印刷したい際や繊細なイメージの印刷はオフセット印刷、というのが基本です。
ただ、現在はあまり品質にも大きな差はなく、かつどのラインからどちらが安価かは印刷所の料金設定と印刷内容、部数、納期によって変わってきます。印刷会社の料金を比較して、用途や予算によって使い分けをするのが良いでしょう。
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