ホーム お役立ちコラム 【印刷のプロが教える】学会ポスターのデザインやレイアウト作り方のコツ
更新日:2023.07.10
【印刷のプロが教える】学会ポスターのデザインやレイアウト作り方のコツ
学会発表の場で取り入れられるポスターセッションの会場には多くのポスターが掲示されます。その中から自分のポスターが注目されるためには、ひと目見て興味を引くものにしなければなりません。
小さな文字がずらりと並んでいたり、パワーポイントで作った資料をただ拡大したりといったデザインでは多くの参加者を呼び込むことは難しいでしょう。
そこで今回は、ポスターセッションで使う学会ポスターのレイアウトとデザインの作り方や印刷会社選びのコツをまとめました。 目を引くポスターに不可欠なポイントをつかみ、理想の1枚を作りましょう。
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学会ポスターのデザインやレイアウトの作り方
ひと目で分かるデザインとは
ひと目で分かるデザインとは、発表者などが目の前におらず解説などがなくてもポスターを見るだけで参加者がある程度発表内容をすぐに理解できる状態であることです。
つい多くの情報を1枚の紙面に詰め込みたくなりがちですが、それではかえって内容が分かりづらくなります。
研究発表の要点を押さえ、情報を選んでできるだけ簡潔にまとめましょう。
文字の書体や大きさ、文字量にも気を使い、図や表を効果的に盛り込むことでポスター全体が「画」として捉えられるようになり、より見やすい紙面となります。 ポスターセッション会場では、発表者がポスターの前から席を外す場面も多くなりますので、解説がなくても分かるようなデザインを心がけましょう。
学会ポスターレイアウトの基本
文字やグラフデータ・写真を多様使いすることが多い学会ポスターは、基本レイアウトをおさえてからデータ作成を行うようにしましょう。
この中で述べる基本レイアウトとは、読み手が見ていく際の流れ・視線の誘導のことを指します。
まずはポスター1枚で全体を把握してもらえるよう、左上から右下行き着くような流れを作るとよいでしょう。
①Z型スタイル
アルファベットの【Z】のように、左上から右下にかけて視線の流れを作ります。
規則的に情報要素を置いていく場合にも、Z型レイアウトは読みやすくなるでしょう。
②逆N型スタイル
大きなグラフデータを入れたい、注目させたい記述項目がある、といった載せる情報に強弱がある場合は逆N型がおすすめです。
左上から右下への視線誘導は変わりませんが、2列・縦レイアウトすることで、メリハリのあるポスターが作成できるでしょう。
最適な色使い・配色の選び方とは
ポスターセッション用のポスターは、何よりも見やすさが第一です。
前項で挙げたように、文字や図、表の使い方などのデザインレイアウトに加えて、色使いにも気を配るのが見やすくなるポイントです。
使用する色も、学会での研究発表に使うポスターということもありますので、全体的に落ち着いた雰囲気を心掛けるのが望ましいでしょう。
同系色でまとめたり使用する色の数を抑えたりすることで、さらに目に優しく読みやすい紙面になります。
必要以上に多くの色を使ってしまうと読みづらくなるため注意しましょう。
(パワーポイントで設定する場合)
パワーポイントで資料を作る際は、もともと設定されているテーマ色を選ぶだけで十分です。下記の手順で設定できます。
①パワーポイントを開く
②タブ切り替えの中から『デザイン』タブを選択
③『バリエーション』の下矢印をクリックする
④『配色』を選択
⑤好きな配色を選ぶ
(自分で設定する場合)
ゼロから自分でカラー配色を行うとなると手間や時間がかかります。
ポスターセッションで大切なのは書かれている情報・内容となりますので、配色についてはサイト情報を参考にしても良いでしょう。
出典:Pinterest
配色に加えて色のコントラストも大切です。
例えば、背景色が薄い色や暗い色の場合は、その上にのせる文字を明るく濃い色合いにするなど、背景と文字とのコントラストがはっきりすれば、紙面はとても見やすくなります。
最適な学会ポスターサイズとは
学会ポスター発表で使用される最適なポスターサイズは、縦1,800mm×幅900mm程度です。
学会会場では縦1,800mm×幅900mm程度の用紙やパネルが用意され、その中に発表内容をまとめるのが一般的です。
ここで注意したいのが、ポスター上部分20cmは「演題番号」や「演題名・所属・氏名」を記載するスペースにすることです。
演題番号は、学会発表当日に運営者側で貼り付けていくことが多いため、左上20×20㎝は余白を取りましょう。
パワーポイントでサイズ設定する際の注意点
ここで注意したいのがデータ作成時の用紙サイズ設定。
パワーポイントを使用する場合、1800mm×900mmサイズのスライドを作成できないため、半分の大きさ900mm×450mmで作成しましょう。印刷の際に拡大します。
<設定方法>
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より身近なサイズだとA0サイズ(841mm×1189mm)が利用されることも多いです。広い空間に貼りだした際、距離をあけても十分に読み取ることが出来ます。
最適なフォントサイズとは
まずは、最初に目にするタイトルを簡潔に分かりやすく配置します。
例えばポスターサイズがA0サイズなら、
・タイトルの文字サイズは72ポイント以上
・本文は48ポイント以上
にすると、メリハリが出て読みやすくなります。
そして、発表する内容で一番重要な情報は紙面の中央部分に大きく配置しましょう。
ポスター紙面で最も目立つ箇所は中央部分です。最も伝えたい内容は、一番目立たせることで参加者にしっかりアピールできます。
情報のまとまりを意識して、図やテキストを揃えてレイアウトすると全体的にまとまりがでて見やすくなることも覚えておきたいポイントです。
最適な余白サイズとは
余白の使い方もレイアウトの良し悪しに大きく関わります。
文字と文字、文字と図、文字と紙面の端には必ず十分な余白を取り、全体のバランスを整えましょう。
他にも、色を上手に利用してグループ化することで情報を整理したり、装飾を控えめに使って見やすくしたりするなど、工夫次第でメリハリのあるレイアウトの優れたデザインに仕上がります。
余白をとるエリアとしては下記2点を意識しましょう。
①ポスターの外側にあたる部分
ポスターの周囲、外側にあたる部分には余白を取りましょう。
外側ぎりぎりまで情報を載せると窮屈な印象を与え、読みにくいポスターとなってしまいます。
学会ポスターで使用される一般的なA0サイズ程度であれば、35mm~50mm程度を目安に余白をとると良いでしょう。
②図・文章など「ひとかたまり」となる情報
ポスター内で繰り返し使われる、テキストやグラフ・図との組み合わせは情報をひとまとまりで捉え、その周囲に余白を設けることを意識するとよいでしょう。
「文字とグラフの間にスペースを入れる」「文字と文字の間にスペースを入れる」ことがポイントです。
使用している文字の1~2文字程度の余白を設けると良いでしょう。
数メートル離れた場所から見ても興味を引き、集客力が高いと言われているポスターは、余白をとることでメリハリのあるレイアウトになります。ポスターセッションのように会場にも多くの参加者に見られる際は、余白をとったレイアウトに気を配りましょう。
学会ポスターのデザイン作成を専門家に依頼する方法
ポスター印刷と同時にデザインを依頼できるサービスがおすすめです。
ポスター作成があまり得意ではなく、そちらに思考や時間をとられてしまい苦労してしまうという方はレイアウトやデザインを専門家に依頼してしまうことも検討してみてください。
その際は、印刷とデザインが一緒に依頼できるサービスを利用するのがおすすめです。
ポスター印刷はA0以上の大きなサイズの印刷になることが多く、自身で印刷することが難しいため同時に依頼ができると便利です。
手描きのラフ原稿から、デザインのプロがポスター1枚から作成|キンコーズ・DTPデザイン
ポスターセッションで研究内容を発表するスキルとポスターを作成するデザインやレイアウトのスキルは全くの別物です。
デザインが苦手で、研究内容が十分に伝えられないなどということがあると本末転倒です。
ポスター作りにストレスがないようにしてみてもいいのではないでしょうか。
おわりに
今回は、学会のポスターセッション用ポスターのレイアウトとデザインのコツをご紹介しました。
発表を成功させるためには、研究内容を効果的に見せる紙面作りを目指し、まずは参加者が思わず足を止める魅力的なポスターを作ることが重要です。
高クオリティなポスターを作るなら、高い技術力を持った印刷会社に依頼するのが一番です。ポスターを作成する際は、印刷会社の利用も検討してみてください。
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