ホーム お役立ちコラム バリアブル印刷とは?活用事例とメリット・デメリットについて
公開日:2021.04.26
バリアブル印刷とは?
活用事例とメリット・デメリットについて
バリアブル印刷という言葉をご存じでしょうか?印刷というと、一般的には版を作って全く同じものを何百枚、何千枚と刷るというイメージがあるかもしれません。年賀状で例えてみると、裏面の内容は同じであっても、宛名印刷をする場合は、郵便番号、住所、氏名の位置は同じでも内容は1枚1枚異なる内容にしなくてはいけません。これがバリアブル印刷です。今回は、このバリアブル印刷についての解説と、便利な使い方についてご紹介します。
バリアブル印刷とは
バリアブル印刷とは英語で書くと「Variable Data Printing」。Variableは「変えられる」「可変の」という意味で、可変印刷とも呼ばれます。英語のとおり、データに基づいて内容を変えられる印刷を指します。
Microsoft OfficeのWordに予め表示範囲を決めて、そこにExcelのデータを読み込ませる差し込み印刷という機能がありますが、差し込み印刷は身近なバリアブル印刷の一例です。
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バリアブル印刷の活用事例
宛名印刷の例を紹介しましたが、バリアブル印刷の活用事例は何も宛名だけではありません。具体的な例を挙げながら、メリットをご紹介します。
DM
宣伝目的で送る印刷物であるダイレクトメール(DM)は典型的なバリアブル印刷です。もともとはメッセージの部分は同一で大量印刷を先に行い、宛名のみバリアブル印刷を用いるという方法がスタンダードでしたが、個々の顧客に合わせて内容を変更するといったことも可能になり、より顧客志向のマーケティングが可能になりました。
年賀状
企業から取引先へ出す年賀状は数も膨大で、かつ決して失礼があってはならないもの。今はカタカナや英語表記の社名も増え、特に長い社名や部署名が増えてきています。
枚数が少ないのであれば会社のプリンタや複合機を使用して印刷することももちろん可能ですが、多い場合はかなりの大仕事になってしまいますよね。
印刷会社に依頼すれば、手間を掛けることなく、確実にきれいな仕上がりで印刷ができます。バリアブル印刷で送り先ごとに挨拶の文面や、差出人名義の変更もお願いすることができます。
名刺
こちらもバリアブル印刷のメジャーな例です。会社の規模や部署によってはそれなりの枚数が必要とはいえ、事務系の社員の名刺などは営業系に比べると枚数は少数となり、印刷を依頼すると割高になってしまいがち。通常のオフセットやオンデマンド印刷で各社員のデータをそれぞれ入稿するより、社員のデータ一覧を渡してバリアブル印刷をするほうが安価で、かつ臨機応変に対応が可能なケースがあります。
もちろん社員1人1人の所属データに加え、顔社員などをデータとして入れることも可能です。
くじ
当たり、はずれの単純なパターンだけでなく、当たりの場合でもそれぞれ異なるシリアルコードを付けたりといったことも可能です。イベントのチケットにナンバリング印刷でくじの抽選番号を付与すると、来場者はチケットを大切に扱うためくじの紛失リスクも大幅に減り、抽選イベントも盛り上がるという相乗効果を期待することもできます。管理用にバーコードなども組み合わせると、来場者の情報管理もスムーズになります。
Webアクセスカード
CDの封入特典などでよく目にする、シリアル付きの応募券などにも用いられています。従来、印刷物からWebにアクセスするには記載されているURLを手打ちするといった手間がありましたが、QRコードを組み合わせることでWebアクセスを容易にすることが可能になりました。
CDでは難しいですが、予め送付する先がわかっているものであれば、バリアブル印刷で地域ごとにリンク先の異なるQRコードを印刷し、アクセス数を分析するといったマーケティングにも活用できます。
バリアブル印刷のメリット
宛名印刷が簡単にできる
先述のように、身近なバリアブル印刷であるWordの差し込み印刷を使用すれば、宛名印刷は自宅やオフィスでも可能です。ただ、実際に差し込み印刷の経験がある方は、かなり手間がかかったのではないでしょうか。住所や名前は一定の長さではないので、Wordの差し込み印刷だと印刷範囲に収まらないということが頻発するのです。
特に企業宛では、社名の長さにばらつきが多く、結局目視でのチェックが必須となってしまいます。難しい場合は印刷所にお願いすることも視野に入れましょう。途中で消耗品がなくなったり紙詰まりを起こしてストップしてしまったり、ということも気にしなくていいので大幅な時間の節約になります。
顧客ニーズに合わせた情報を記載できる
事例でも紹介したように、バリアブル印刷では違うデータを1枚ずつ変更して印刷することができるため、顧客1人1人のニーズに応じて訴求内容を変更することが最大の強みです。情報の確認や連絡はもちろん、宣伝であっても地域や性別、興味の傾向などに合わせて内容を変更したり、また情報収集をしたい場合にもQRコードやバーコードで顧客情報を収集ができ大変便利な印刷機能です。
従来型のダイレクトメールは同じ内容を多数の顧客に送るものでしたが、バリアブル印刷を使うことで顧客のニーズを意識することでより費用を抑えて効率的な宣伝、伝達ができるようになりました。
キャンペーンのバリエーションが広がる
従来の印刷では、DMはDM、チラシはチラシ、くじはくじとしてそれぞれ1つの役割しか果たせないのが普通でした。しかし、バリアブル印刷の登場によって、DMに顧客の利用状況によって割引金額の異なるクーポンコードを付けたり、ちらしにくじを付けるといったことが可能になりました。それぞれの印刷物の付加価値が高まり、見向きもせず捨てられていたものが顧客の目に留まりやすく、キャンペーンやイベントの効率化・活性化に繋がるようになりました。
バリアブル印刷のデメリット
バリアブル印刷のデメリットとしては、可変部の文字数が大幅に異なる場合、範囲内に収めるためにレイアウトが崩れる可能性があるということが上げられます。またデータのフォントはPCによって置き換わる可能性があるものなので、凝ったフォントを使用した場合などは、希望するものと完全に同じフォントで印刷できないがありますので注意が必要です。バリアブルに対応する箇所が増えるほどレイアウト崩れの可能性は高くなり、修正を頼んだ場合は費用が掛かる場合があります。
バリアブル印刷の入稿に必要なデータ
バリアブル印刷に必要なデータは、デザインのベースとなるデータファイルと、可変部分をまとめたデータベースのファイルの2つが必要です。データベースは通常はExcelかcsvで作成します。
入稿する印刷所が決まっている場合は、予め印刷所にデータの作り方を聞いておくか、配布されているテンプレートに従って作成するのがおすすめです。
基本データ
すべての印刷において変更がない、ベースのデザインとなる部分です。画像編集ソフトで作ってもいいですし、WordなどのOfficeソフトでも作成できます。印刷会社によるので予めサイトで確認しておくか、問い合わせをしておくと安心です。
可変データ
Excelで作成する場合、1行ごとに1人のデータとして作成します。姓と名はセルを分けておくのが無難です。スペースを使用する場合は、半角スペースと全角スペースが混在しているとバランスが崩れることがあるためなるべく統一しましょう。すでにデータがあり、混在している場合は置換などで一気に変更できます。
人名は特に要注意で、旧字・異体字などが多く使われているかと思います。印刷で使用できない場合がありますので、入稿予定の印刷所にあらかじめ対応範囲を確認しておくことをおすすめします。
可変ファイルデータ(画像を貼り込む場合のみ)
画像のファイルはすべて同じサイズでなくてはなりません。ページごとのトリミングやリサイズは基本的にできないので最初にサイズを合わせてデータを作成しましょう。
おわりに
バリアブル印刷についてご紹介しましたが、いかがでしたか?可変データの組み合わせが無限大なので、印刷物の幅と可能性が大いに広がりますよね。
企業向けでも個人向けでも、よりパーソナライズされたマーケティングが求められる時代に活躍すること間違いなしのバリアブル印刷。
宛名印刷だけではもったいないので、ぜひいろいろなものを組み合わせて活用してみてください。
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